日本トリムとアムウェイの違いは?整水器と浄水器を費用まで比較
日本トリムとアムウェイは、ともに水道水を処理する高級機器を扱っていますが、その役割は異なります。日本トリムは電気分解で電解水素水をつくる整水器であるのに対し、アムウェイのeSpringはフィルターろ過と紫外線で水をきれいにする浄水器です。
そして、共通しているのが購入方法で、どちらも人からの紹介で手にすることが多い製品です。こうした買い方の印象も手伝って、会社や販売方法まで同じように見られてしまうことがあります。
そこで本記事では、両社の売り方や機械のしくみ、除去できる物質の違いに加えて、10年使ったときの費用を比べました。ネットで見かける日本トリムの悪評や宗教、摘発の噂についても、公開資料で確認できる事実を整理しています。
日本トリムとアムウェイの違いを一覧で比較

2社の代表的な機種を、2026年10月時点の公式サイトやニュースリリースをもとに比べました。
| 日本トリム(TRIM ION Well) | アムウェイ(eSpring浄水器Ⅲ 据置型) | |
|---|---|---|
| 機器の種類 | 整水器(管理医療機器) | 浄水器 |
| しくみ | 浄水したあと電気分解 | 3層フィルターでろ過+UV-C LED |
| 出てくる水 | 電解水素水・酸性水・浄水 | 浄水(ミネラルは残す) |
| 除去できる物質 | 22物質(JIS S 3201ほかの試験方法) | 170種以上(NSF/ANSI 42・53・55・401) |
| 本体価格 | 157,300円(標準価格・取付工事費別)。価格を公表している機種で157,300〜448,800円 | 標準小売価格187,650円/会員価格139,000円 |
| カートリッジ | 11,000円。約12か月または6,000Lで交換 | 標準小売価格26,730円。1年または5,000Lで交換 |
| 売り方 | 職域セミナー・紹介・催事などの直販、Web販売 | 会員(ABO)による連鎖販売、店舗・通信販売 |
参考:日本トリム|TRIM ION Well/日本トリム|電解水素水整水器比較一覧/日本アムウェイ|eSpring浄水器Ⅲ発売のお知らせ
費用面を検討する際は、本体の値段に加えてカートリッジ代にも目を向けておきましょう。標準価格で見比べると1本あたり2倍以上の開きがあり、毎年の交換を重ねるうちに維持費の差がじわじわと広がっていきます。また売り方についても、日本トリムは社員による直販がメインとなる一方、アムウェイはABOと呼ばれる登録会員による連鎖販売取引(MLM)を採用しています。
なお、除去できる物質は試験規格がそろっていないため、数の多さだけで性能の優劣は決められません。
日本トリムとアムウェイはどんな会社か

日本トリムは大阪の整水器メーカーで、アムウェイは米国で生まれた日用品の会社です。
| 日本トリム | 日本アムウェイ | |
|---|---|---|
| 設立 | 1982年 | 1977年(営業開始は1979年) |
| 本社 | 大阪市北区 | 東京都渋谷区 |
| 上場 | 東証プライム(証券コード6788) | 非上場(合同会社) |
| 主な事業 | 電解水素水整水器(家庭用・血液透析用・農業用)、ボトルドウォーター | 家庭日用品などの輸入・販売 |
念のため株主の顔ぶれも確かめましたが、アムウェイとのつながりは見当たりません。日本トリムの株をいちばん多く持っているのは創業者で会長の森澤紳勝氏で、資産管理会社の分を合わせると約4割になります。続くのはウォーターサーバーのプレミアムウォーターのグループ2社で、大株主や関係会社の一覧にアムウェイの名前はありません。
参考:日本トリム|株式基本情報
日本トリムとアムウェイの売り方の違い

売り方の違いをつかむには、誰が案内役を務めるのか、そして契約が決まったときにどのような報酬が発生するのかに目を向けると分かりやすいでしょう。日本トリムでは営業社員が直接案内する一方、アムウェイでは登録会員であるABOが説明役を担います。
日本トリムの売り方
日本トリムの有価証券報告書(第44期)では、対面での説明販売を中心とする次の4つが、整水器の売上高の78.4%を占めています。
- 職域販売
- 取付・紹介販売
- 店頭催事販売
- メンテナンス(修理)時の販売
主力となる職域販売は、代理店などの紹介を通じて企業を訪れ、従業員向けのセミナーを開いて製品を説明して販売する手法です。現場で説明するのは日本トリムの営業員であり、公開資料を確認しても、購入者が新たな販売員となって組織を広げたり、紹介の広がりに応じて報酬が支払われたりする仕組みは見当たりません。
なお、TRIM ION Wellのように、公式通販サイトから直接手に入れられる機種も用意されています。
アムウェイの売り方
アムウェイでは、会員であるABOが製品を会員価格で仕入れ、販売価格との差額を小売利益として受け取ります。紹介や販売組織の広がりに応じたボーナスも設けられており、特定商取引法上の連鎖販売取引に該当する販売方式です。ネズミ講との違いは「アムウェイはネズミ講なのか」で整理しています。
会員にならなくても、ABOから案内されたURLを使えば、標準小売価格の80%で購入できます。
2社に共通すること
2社の販売手法で重なる部分は、対面で説明を受けて十数万円以上の機器を導入し、その後も定期的にカートリッジを買い続ける一連の流れにあります。
疑いの目が向けられやすいのは、企業体制そのものより、こうした買い方が似ているためだと見ています。アムウェイの売り方を知る人ほど、職場のセミナーで高額な製品をすすめられたときに、同じようなビジネスの構図を思い浮かべてしまうのでしょう。
日本トリムは怪しい?悪評の中身

日本トリムについて検索すると、「悪評」「宗教」「摘発」といった言葉が候補に出てきます。ここでは、公開資料から確認できる事実と、明確な根拠が見当たらない噂を分けて見ていきます。
売り方への疑い
売り方に対する疑念は、前章で触れたように、2社の買い方が似ていることが大きく影響しているといえます。日本トリムの営業は社員が担当しており、有価証券報告書を見ても、購入者が販売員となって組織を広げる形は確認できません。
もうひとつの発端として挙げられるのが、2016年に国民生活センターが公表した水素水の検証テストです。公表資料の中で、医薬基盤・健康・栄養研究所の「ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない」とする見解が引用されたことで、水素水そのものへ懐疑的な視線が注がれるようになりました。
ただ、このテスト対象には日本トリムの機器(TRIM ION HYPER)も含まれており、表示目安と同程度の濃度が検出されていたことも押さえておきたい事実です。
参考:国民生活センター|容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」
宗教といわれる理由
日本トリムと宗教団体との関係を示す公開情報は、確認できません。
宗教という言葉が関連して検索される背景には、創業者と親族の資産管理会社が株式の約4割を持つオーナー企業であることや、複数人を集めたセミナー形式で製品を説明することが関係しているのかもしれません。
摘発の噂の中身
日本トリムが摘発や行政処分を受けたとする公開情報は、現在確認できる範囲には見当たりません。
公式サイトのお知らせ欄に並んでいるのは、同社や水道局を名乗る業者の点検商法をはじめ、カートリッジの模倣品や詐欺サイトへの注意喚起です。特に点検商法について、同社は外部業者へ点検を委託することは一切ないと明記しています。ネット検索で「摘発」という文字を見かけたときは、メーカー自体の話なのか、それとも会社を名乗る悪質業者への注意なのかを切り分けて読んでください。
日本トリムの整水器とアムウェイの浄水器の違い

製品を比較するときは、次の5項目を確認します。
- 水をつくるしくみ
- 出てくる水
- 認められた効果
- 除去できる物質
- 10年でかかる費用
前半の3つで機械としての性格の違いを、後半の2つで性能とお金の違いを見ていきます。
水をつくるしくみ
日本トリムの整水器は、カートリッジで水道水を浄水したあと、電気分解によって電解水素水を生成します。水道水を電気分解すると、陰極側に水素を含んだアルカリ性の水ができ、これが電解水素水と呼ばれます。
アムウェイのeSpring浄水器Ⅲは、3層構造のカーボンフィルターで水をろ過し、UV-C LEDの紫外線で微生物を不活性化する浄水器です。水を電気分解する機能はなく、アムウェイが家庭用に販売している水の機器も、eSpringとバスルーム用のBathSpringという2種類の浄水器です。
参考:日本トリム|水素水(電解水素水・アルカリイオン水)の効果について/アムウェイ相談室|アムウェイの浄水器に関するご質問
両製品の違いは、電気分解を行うか、紫外線を当てるかにあります。
出てくる水
日本トリムの整水器では、用途に応じて次の水を切り替えられます。
- 電解水素水
- 酸性水
- 浄水
飲用に使う電解水素水は、日本トリムの整水器ではpH9.0〜10.0の弱アルカリ性です。eSpringから出るのは、ミネラルを残しながら不要な物質を取り除いた浄水です。
複数の水を使い分けたいなら整水器、浄水だけを使いたいなら浄水器という違いがあります。
認められた効果
日本トリムの整水器は、医薬品医療機器等法上の管理医療機器です。認められている使用目的・効果は、胃腸症状改善のための飲用アルカリ性電解水の生成に限られます。
具体的には、胃もたれや胃の不快感を和らげること、お通じを良好にすることなどです。水素による美容効果やダイエット効果、体質改善などは、管理医療機器として認められた効能には含まれません。日本トリム自身も、電解水素水は薬ではないので、飲んですぐ症状が改善されるものではないと書いています。
水素水そのものの有効性についての国民生活センターの見方は、前の章で触れたとおりです。eSpringは浄水器なので、病気や症状への効能はうたっていません。
除去できる物質
比較表を見ると、日本トリムとeSpringでは除去できる物質の数に大きな開きがあります。ただ、この2つは同じ試験で測った数字ではありません。
日本トリムはJIS S 3201などの試験方法、eSpringはNSF/ANSIの複数規格に基づいています。試験対象や認証基準が異なるため、対象数の多い製品が、そのまま浄水性能で優れているとは判断できません。
比べるなら、自宅の水道水で気になる物質が対象に入っているかを見るほうが実用的です。例えば有機フッ素化合物のPFOS・PFOAは、どちらの製品も除去の対象に挙げています。
10年でかかる費用
本体と、10年間で交換するカートリッジ9回分を、公式の標準価格で足すと次のようになります。カートリッジは1年に1本交換する前提です。
| 本体 | カートリッジ9回分 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 日本トリム(Well) | 157,300円 | 99,000円(11,000円×9) | 256,300円 |
| アムウェイ(eSpring浄水器Ⅲ 据置型) | 187,650円 | 240,570円(26,730円×9) | 428,220円 |
本体の差は30,350円ですが、カートリッジ9回分の差は141,570円まで広がります。一覧の章で触れたカートリッジ代の開きが、10年でここまで積み上がる計算です。本体の寿命や交換パーツの値段は「アムウェイの浄水器に寿命はある?」にまとめています(記事内の価格は旧機種のeSpring浄水器Ⅱのものです)。
この試算には、取付工事費と電気代は入っていません。Wellは分岐水栓とホースが付属していますが、蛇口の形によっては有償の取付工事が必要です。また、使う水の量が多ければ、1年たつ前にカートリッジの交換時期が来ます(Wellは約6,000L、eSpringは5,000L)。
日本トリムのほかの機種は、本体もカートリッジもWellより高めです。例えばTRIM ION GRACEは本体294,800円・カートリッジ14,300円(どちらも標準価格)で、同じ計算をすると423,500円になり、eSpringとほぼ同じ水準です。
日本トリムとアムウェイはどっちを選ぶ?

日本トリムとアムウェイのどちらを選ぶかは、何を目的に機器を取り付けるのかで変わります。水道水の味や品質に不満がなく、求める機能もはっきりしていないなら、どちらも負担の大きい買い物です。
日本トリムが合う人
日本トリムの整水器が合うのは、管理医療機器として認められた範囲を理解したうえで、胃腸症状改善のための飲用アルカリ性電解水を取り入れたい人です。
電解水素水に加えて、酸性水や浄水も使い分けたい人にも向いています。費用を抑えたいなら、本体もカートリッジもシリーズでいちばん安いオンライン限定のWellが候補になります。
ただし、胃痛や便通の異常が続いているときは、整水器だけで対処せず、先に医療機関を受診してください。
アムウェイが合う人
eSpringが合うのは、浄水性能に加え、UV-C LEDによる微生物対策を求める人です。電解水素水や酸性水を使う予定がなく、浄水機能に絞って選びたい人にも合います。
周囲にABOがいて、購入後のカートリッジ交換や使い方を相談できる人なら、サポートを受けやすいでしょう。反対に、ABOとの付き合いを続けたくないなら、カートリッジを毎年どこから買うのかを先に確かめておくと、あとで困りません。
アムウェイ浄水器のデメリットやカートリッジ交換の方法は、別の記事で詳しく解説しています。
契約前に確認すること
説明を受けたその日には決めず、本体以外にかかる費用と、解約・返品の条件まで確認しましょう。特に確かめたい項目は次のとおりです。
- 本体の購入価格
- 10年分のカートリッジ代
- 取付工事費
- 返品・解約の期限
- 購入後の問い合わせ先
アムウェイでは、ABOとして登録するときに限り、法定書面を受け取った日から20日以内であればクーリング・オフできます。商品の引き渡しが書面の受領より後になったときは、商品を受け取った日から数えます。
ABOにならず製品だけを購入するときは、受け取った書面にあるアムウェイ製品の返品や解約の条件を確認してください。日本トリムの公式通販は、返品・交換の期限を商品到着後8日以内としていて、開封後の返品は原則受け付けていません。
アムウェイの浄水器を手放すなら買取に出せる

日本トリムへ乗り換えたときや、eSpringを使わなくなったときは、浄水器を買取に出せます。
ファイングッズでは、eSpring浄水器Ⅱの据置型・ビルトイン型のほか、交換用カートリッジや補助水栓なども買取の対象で、品目はeSpring浄水器Ⅱの買取価格のページに並んでいます。使用した浄水器も買取対象です。
eSpring浄水器Ⅲは、買取の可否を事前に問い合わせてください。アムウェイ浄水器の買取は、神戸の店舗への持ち込み、ドライブスルー、宅配の3つから選べます。
✅️ 合わせて読みたい:アムウェイの商品の買取相場・買取価格まとめ|高値買取のコツとは?
まとめ
日本トリムとアムウェイの機器は対面販売の高額品という共通項があるものの、機能自体は別物です。電解水素水がほしいなら整水器、ろ過機能だけで十分なら浄水器と、用途に応じた見極めが欠かせません。
出費の差を分ける主因は毎年のカートリッジ代であり、標準価格での10年総額はWellが約26万円、eSpringⅢは約43万円に達します。日本トリムでもGRACEを選ぶと、eSpringと同等の水準まで上がります。
販売体制への疑念は買い方の類似から生じた側面が強く、日本トリム自体の処分歴は確認できません。当日に契約を急がず、長期的な維持費と解約ルールを把握してから検討を進めてください。
使わなくなったeSpringが手元に残っているなら、そのまま処分する前に専門の買取査定を試してみる価値があります。型落ちした古いモデルや、使ったことのある本体も査定の対象です。



